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「売上3割以上減、本当に不安だよ」17年通った大井町の大衆そば店主が語ったこと

2020/04/14
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 JR大井町駅の北東側の高台に東小路飲食店街がある。戦後の闇市がそのまま商店街となって取り残されたような一帯である。小さなスナック、飲み屋、立ち飲み、中華店、洋食屋などが立ち並ぶ。

 東小路飲食店街は並行して2本走っていて、その北側の入口すぐのところに、2000年頃から営業している小さな大衆そば屋「彩彩」がある。小柄の大将がひっそりと切り盛りしている6席のカウンターの店である。JR大井町駅東口の改札を出て30秒で店につく近さなのだが、なぜか混雑することは少なく、いつも静かに営業している。

東小路飲食店街の入口近くに「彩彩」はひっそりと営業している
「彩彩」は2000年創業だ。暖簾が風に踊る

「売上は3割以上減、不安だよ」

 先日、久しぶりに伺うと大将が笑顔で、いつもの「いらっしゃ~い」の一声で迎えてくれた。お元気そうでなによりである。しかし、新型コロナの影響を聞くと顔を曇らせた。

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6席ほどのカウンターの大衆そば屋である

「売上は3割以上減少している。ウチは朝のお客さんが多いけど、8時半を過ぎると東小路には人がいなくなるよ。夜も随分閑散としているらしいし、これからが本当に不安だよ」