韓国では、総選挙(4月15日投開票)を目前に控え、各地で選挙戦の真っただ中だ。
新型コロナウイルスの影響で、街頭での派手な集会は有権者から敬遠され、韓国らしい賑やかな選挙運動は影をひそめている。そんな異例の選挙でも相変わらず健在なのが、「日本」というキーワードを使った対立候補への批判だ。
選挙戦で語られた日本は「あの時代」
韓国の3大紙の一つ、「朝鮮日報」(電子版、4月6日)によると、左派系の与党「共に民主党」は、選挙戦スタート直前の3月末、「総選挙戦略広報遊説マニュアル」を作成し、同党の立候補者の陣営に配布していた。
その中で、広報・遊説の指針として、次のように書かれていたという。
「国民らは今回の選挙を『韓日戦』と呼んでいる。日本政府には屈従的だが、韓国政府を非難するばかりの(保守系の最大野党の)未来統合党に審判を下してほしい」
さらに、未来統合党について、「安倍(晋三)政権を擁護し、日本に何の批判もできない」と批判。さらに選挙の4大戦略の一つとして、「日本製品ボイコットなどを通じ、日本の輸出規制危機克服を先導した政府を強調」することが挙げられていたという。
文在寅大統領を支える与党「共に民主党」が準備したこのマニュアル。選挙戦がスタートした4月2日前後から、現実の政治家の行動に反映されていった。文在寅大統領や与党の支持者とみられる人々が、ソーシャルメディアなど使って、未来統合党を次のように攻撃しはじめたのだ。
「未来統合党は土着倭寇(朝鮮半島に土着した倭寇の子孫)だ」
「土着倭寇を撲滅せよ」
さらに、「国会議員国産化国民運動本部」「投票で親日清算」と大書した横断幕やポスターまで登場した。