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「憲法改正の大きな一つの実験台」

伊吹文明 自民党・元衆院議長
「周知期間を置かなくてもよくするには憲法を変えないと」
「憲法改正の大きな一つの実験台。緊急事態の一つの例」

朝日新聞デジタル 1月31日

 二階派の重鎮・伊吹氏の発言はもっとストレートだ。1月30日に行われた二階派の会合で憲法改正の必要性を説き、新型コロナウイルスの感染拡大を「憲法改正の大きな一つの実験台」と言ってのけた。「公益を守るために個人の権利をどう制限していくかという緊急事態(条項)の一つの例としてね」とも語っている(毎日新聞 2月4日)。

松川るい 自民党・参院議員
「予算委では、新型コロナウィルスについて指定感染症の施行を早めるべきとの声が相次ぎました。憲法に緊急事態条項があれば!」

ツイッター 1月30日

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【Twitter】松川るい議員のツイート


 ツイッターでの発言。しかし、その翌日、安倍首相が「指定感染症」にする政令の施行を2月1日に前倒しすると発表。憲法に緊急事態条項がなくても大丈夫だと1日で判明してしまった。

現行法の中では本当にできないのか?

小泉進次郎 環境相
「私は憲法改正論者だ。社会全体の公益と人権のバランスを含めて国家としてどう対応するか、問い直されている局面だ」

産経新聞 1月31日

 1月31日の記者会見での発言。

下村博文 自民党・選対委員長
「人権も大事だが、公共の福祉も大事だ。直接関係ないかもしれないが、(国会での)議論のきっかけにすべきではないか」

共同通信 2月1日

 2月1日に行われた講演会での発言。小泉氏、下村氏ともに「人権」について言及している。

小泉進次郎氏 ©文藝春秋

 一方、立憲民主党の枝野幸男代表は1月31日の記者会見で、「感染症の拡大防止に必要な措置は、あらゆることが現行法制でできる」「人命に関わる問題を憲法改正に悪用する姿勢が許されない」と厳しく批判(時事ドットコムニュース 2月1日)。また、枝野氏、国民民主党の玉木雄一郎代表、自民党の石破茂元幹事長は「悪乗り」と口を揃えた。

 与党である公明党の山口那津男代表も、憲法改正から距離を置いている。緊急事態条項についての改憲論の盛り上がりに対して、「まず現行法でできる限りのことをやり、対応できないときは立法措置を検討するのが議論の順序だ」とクギを刺した(産経新聞 2月4日)。