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安倍晋三 首相
「緊急事態宣言と党の改憲案は全くの別もの」

西日本新聞 4月12日

 批判の高まりによって、安倍首相も3月14日の新型コロナウイルス対策の特別措置法が施行された際の記者会見では、緊急事態宣言と緊急事態条項を切り分けてみせた。新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していく中、議論は一度消えたかに見えたが、それでも自民党は一貫して衆院憲法審査会の開催を求め続けてきた。

緊急事態宣言を出した安倍首相 ©getty

このタイミングで“憲法会合”に約50人が出席

 3月19日には自民党の新藤義孝衆院憲法審査会・与党筆頭幹事が幹事懇談会を開きたいと提案したが、立憲民主党の山花郁夫憲法調査会会長が拒否。なお、この日は政府専門家会議が「爆発的な感染拡大(オーバーシュート)を伴う大規模流行につながりかねない」と提言した日だった。

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 新藤氏は4月3日にも「緊急事態における国会機能の確保」をテーマに衆院憲法審査会を開くよう打診したが、ここでも野党は拒否。そんな流れの中で、日本維新の会の遠藤敬氏が再び国会で「緊急事態条項が不可欠」と発言し、安倍首相がそれに呼応した形だ。

 4月10日、自民党憲法改正推進本部は、感染拡大防止のために大半の党会合が中止になっている中、憲法論議に取り組む姿勢をアピールするために会合を「強行」。約50人が出席した(毎日新聞 4月11日)。

人通りが絶えた東京・新宿 ©AFLO

もっとやるべきことがあるのでは?

 日本維新の会の議員がきっかけを作り、安倍首相がそれに応えて、自民党の議員たちが盛り上がるというパターンだが、日本維新の会は昨年11月にも遠藤氏を中心に改憲をアピールしている(このときは「国民投票法改正案」について)。産経新聞は日本維新の会について、存在感が「埋没した状態から脱却」するために「政局に左右されない改憲論議」を求めていると解説していた(2019年11月22日)。

安倍晋三 首相
「私の手で成し遂げていきたい」

読売新聞 2019年12月9日

 昨年末、憲法改正について、自民党総裁任期が終わる2021年9月までの実現に強い意欲を示した安倍首相。しかし、任期中の国会の回数や国民投票までの期間を考えると、改憲の日程はかなり厳しくなっている。

 緊急事態条項を突破口にして、なんとか改憲の糸口をつかもうとしているようだが、いい加減あきらめたらどうだろうか。他にもやることは山のようにあるはずだ(犬を抱いた動画のアップではない)。