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日本は馬券ネット販売の先進国

「アメリカなどでもインターネット馬券発売は行われていますが、そのインフラ整備状況や普及率では、日本が世界の最先端を走っています。平成14年にはネット投票の運用が始まっていますからね。これははっきりデータとして残っているんですが、今年の桜花賞前に場内や場外での馬券発売が中止されたため、それまで窓口で馬券を買っていたIT弱者の高齢ファンたちが重い腰を上げ、続々とネット購入会員になりました」(同前)

 ネット販売の導入、整備は馬券売り場の混雑緩和のためだが、結果的にはこの異常事態下でもJRAの馬券売り上げや国の税収を維持できる基盤として機能しているのである。

 そして競馬開催の続行には、国民への娯楽の提供という側面もあるという。

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「馬券の売上額からもわかる通り、競馬には多くのファンがついていて、日本の娯楽文化として定着しています。野球もサッカーも興行中止となっている今、さらに競馬までなくなれば、ますます息苦しい世の中になってしまうのではないでしょうか」(同前)

今年の桜花賞。松山弘平騎手騎乗のデアリングタクトが1着となり、令和初の桜の女王となった

武豊は「勇気を与えられるレースができれば」

 桜花賞前の4月8日(政府による緊急事態宣言発出は同7日)、JRAが競馬開催続行を発表したことを受けてコメントを求められた武豊は、「今は大変な状況ですが、我々は競馬を通してテレビやラジオで多くの方が楽しんでもらえればと思って、全力で騎乗するだけです。少しでも楽しんでもらって勇気を与えられるレースができれば」と語った。確かに普段通りの仕事もままならず、Stay Homeが推奨される中、貴重なガス抜きの機会として週末の競馬中継を楽しんでいる人々は、少なくないだろう。

「馬券の売り上げの維持と、娯楽の提供。その両方の意味で、開催できる状況であるのならばやろうと。JRAもしくは政府、どちらかの意向というより、双方の阿吽の呼吸で開催続行が決まったのだと思いますね」(同前)

 だが開催の大前提となるのが、騎手や関係各所の安全確保であることは言うまでもない。