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社畜かどうかを決めるのは自分自身

 一時期、「サラリーマンという働き方は搾取されている、社畜にならないほうがいい」という風潮がありました。しかし、個人的には、サラリーマンという形態が社畜なのではなく、働くうえでの「スタンス」が問題なのだと思っています。

 いつまでも会社に依存している人は社畜かもしれませんが、会社に依存せず、副業や社外活動を通じて活躍しているサラリーマンは、社畜ではありません。

 逆に、フリーランスになっても、クライアントの言いなりになった仕事をしているようでは、社畜と変わりません。働く形態を問題視するのではなく、自分がどう働くかを議論の的に据えるべきです。

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 僕は、会社を利用しながら自分のキャリアを実現し、その過程で得た知見を副業に還流することで生涯年収を最大化する働き方を選んでいます。だからこれからもサラリーマンという立場を選び続けます。

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 この文章を読んでくれているあなたがもし、副業で本業と同じ額を稼げるようになったとしても、すぐにサラリーマンを辞めることはおすすめしません。それよりも、週3日間サラリーマンをやって、週2日は自分で好きな時間を過ごすことで、人との繋がりや社会との接点を持ち続けたほうがいいです。

転職と副業のかけ算で「1万分の1」の人材になる

 転職と副業は、サラリーマンであれば誰でも使うことができる「術」です。しかし、これをかけ合わせてキャリアを組み上げている人は、まだ多くはいません。

 僕は自分の市場価値にこだわってキャリアを築いてきました。そのなかで編み出したのが「転職と副業のかけ算」です。

 ホームセンターの人事として出した成果に転職をかけ合わせて年収を上げ、転職を繰り返した経験に副業をかけ算することで収入を増やしてきました。同時に、様々な業界を渡り歩いたことで、自分の市場価値も高めてきました。

 市場価値を高めるうえで大切なのは、キャリアの「かけ算」です。本書で紹介した「軸ずらし転職」は、まさに市場価値を高める過程で得た転職方法です。

 また、副業でも、本業を利用していくつかの分野の知見をため、そこで得た情報をかけ合わせて発信することで、個人のブランドは築き上げられます。