漠然と「良い会社に転職したい」と思っているだけでは、理想の実現は不可能だと気が付かなければならない。

 多くの企業が人材不足に悩まされているからといって、どんな人間でも希望の職に就けるわけではない。より高い給与、よりよい待遇で迎え入れられる人材になるためには、転職活動をするにあたって策を練る必要がある。また本業の給与所得に副業による収入をプラスすることで、自身の生涯年収を最大化していくことが可能になるのだ。

 実際に本業で1000万円、副業で4000万円の年収を稼ぐmoto氏が著した『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化させる生き方』より、「生涯年収を最大化させ生き方」について紹介する。

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 本業を頑張ることで成果を出し、その成果をもって転職する。

 本業で成果を出すなかで得た知見を、個人で発信することで副業にする。

 僕は、本業での成果に転職と副業を「かけ算」することで生涯年収を最大化してきました。これまでのキャリアで得てきたことは、本書にすべて綴りました。 

 最終章となる第5章では、生涯年収を最大化するための「生き方」について、お伝えしたいと思います。

副業年収4000万円でもサラリーマンを辞めない理由

「なぜ、副業の収入が多いのに、サラリーマンを辞めないのですか?」と、よく聞かれます。

 僕の副業の情報源は「サラリーマンとしての経験」です。そのため、サラリーマンを辞めてしまうと、自身の経験や知見をアップデートすることができなくなり、副業でお金を稼ぐことが難しくなります。

 人の役に立つ情報は、常に最新かつ本質的なものでなければなりません。サラリーマンをしながらインプットを得ることは「自分の商品」を仕入れるのと同じ行為なのです。

©iStock.com

 また、副業収入の多くを「ブログ」に依存している点も、サラリーマンを辞めない理由の一つです。

 ブログやYouTubeといったコンテンツは、すべてグーグルの上に成り立っています。仮に独立した場合、グーグルの一存でいつどうなるかわからない状態で生活をしなければなりません。それはサラリーマンでいるよりもはるかにリスクが大きいことを意味します。

「自分の人生」のコンテンツ化は自転車操業

「ブログで会社の給与と同じ額を稼げるようになったら独立しましょう」という発言を目にしますが、年に数千万円を稼ぐ僕でも、ブログだけで独立するという選択はしません。あまりにもリスクが大きいのです。

 また、ブログだけで独立することは、社会との接点や自分へのインプットの機会も大きく減ります。インプットが減っていくと、最終的に「自分の人生」をコンテンツにするしかなくなり、日々の生活を切り出すかたちで“自転車操業”するしかなくなってしまいます。

 自分の人生から「引き算」してコンテンツを出していくことは、先細りの可能性が高く、非常に危険です。一時期話題になった「ブログで独立するために大学を辞めました」という学生は、今どこで何をしているのか。世の中の流れはとても速く、すぐに消費されてしまうのです。