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金与正のヒステリックな罵倒の理由
文在寅大統領の大方針は「朝鮮半島の不安定化を防ぐこと」である。文大統領が従北姿勢であるのは改めて言うまでもない。一方の金正恩は表向き文大統領とは距離を置いているように装っているが、本当は一定程度良好な関係を保っていたはずである。
ところが、3月2日に北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射した際、韓国大統領府が憂慮を表明し、発射中止を求めた際、金正恩の妹・金与正の反応は激烈だった。
「よその軍事訓練に口出しするとは居直りの極致だ」
「低能な考えで驚愕する」
「『生意気』で『愚か』」
「行動が3歳児並みだ」
こうしたヒステリックな言葉で文大統領を罵倒したのだ。普段は楚々と振る舞う金与正からは想像もできない悪罵である。
だが、これは必ずしも南北関係悪化を示してはいない。それに先駆けて金正恩から文在寅に送った「太陽」のような暖かい「コロナ見舞い」親書とバランスを取るためではないかと思われるので、北朝鮮の対韓国政策が悪化するという観測には繋がらないだろう。
金日成死亡時の「ある教訓」
「従北」と言われる文政権は、これまでも南北関係の改善を目的に、国際社会に対して北朝鮮への制裁緩和を求めてきた。金正恩が死んだとしても、米国の反対を押し切ってでも最大限の経済支援を行おうとするだろう。
北朝鮮の指導者が死んだ場合、韓国の弔問外交にも注目すべきである。おそらく文大統領は過去の教訓を活かし、意を用いるはずだ。