新型コロナウイルスの流行によりひとびとが混乱し、混迷している。特にこの間の安倍政権の迷走ぶりはひどく、SNSでは安倍首相への怨嗟の声も高い。このような混乱の中、株を上げているのが小池百合子東京都知事である。

小池百合子、人気再燃

 4月7日に発令された緊急事態宣言の前後で、小池は国から休業要請の2週間見送りを打診されたと語り、「しぶる国」と「急ぐ小池」の構図が印象づけられた。

 その中で小池は「(知事の)権限は元々、代表取締役社長かなあ、と思っておりましたら、天の声がいろいろ聞こえてきまして、中間管理職になったような感じ...」とメディアに語り、大きく報道されている。

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小池百合子都知事 ©︎AFLO

 その後も小池は積極的に硬軟の発信を行っている。とくにインターネット上の動画に関しては安倍首相とのコントラストが大きかった。

 安倍首相の星野源と「コラボ」動画が炎上したのに対して、ほぼ同時期に発表された小池が人気YouTuberのHIKAKINのインタビューに答える形式でコロナ対策について語った動画は、確かに良くできていた。「あたたかな人柄」のようなものと共に都知事として必要な情報がわかりやすく語られていて、テレビ界出身者の面目躍如である。

「小池都知事にコロナのこと質問しまくってみた【ヒカキンTV】【新型コロナウイルス】」より

 このようにマスメディアとSNSを綺麗に使いこなす小池は、安倍政権が給付金問題でごちゃごちゃしている間にも、休業に応じた店への協力金支給を着々と進め、「人命を優先する政治家」のイメージを固めている。

 そして「日本初の女性首相」の可能性をささやく声も浮上してきている。こんな非常事態にあまりにも頼りない政府に失望し、小池に新しいリーダーを求めるのも仕方ないことなのかもしれない。だが、小池百合子は一体どういう存在なのか、ジェンダー論が専門である筆者の立場から考えてみた。