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ポストフェミニズムの時代に、なぜ小池?

 そして、このポストフェミニズムの下地の上に、近年登場して注目されているのが「ネオリベラル・フェミニズム」である。

 代表例がFacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグの「リーン・イン・フェミニズム」。彼女は女性がキャリアを上昇できない理由は「女性自身の意識」にあるとし、「リーン・イン(身を乗り出す)」してキャリアを向上させよと諭す。

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

 日本でもこれらの気運は多くの層に分けもたれていると私は考えている。そして、このポストフェミニズムとネオリベラル・フェミニズムのあわいに浮上したのが小池百合子だと考えられる。

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「女子力も忘れないバリキャリ女性」としての側面

 小池は、フェミニズム的な明確なメッセージや政策も打ち出さないが、杉田水脈や稲田朋美など自民党等の保守・右派の女性議員のような目だった反フェミニズム的な言動も少ない。ときに選択的夫婦別姓制や女性宮家創設に賛成といったりもしている。このため、好感を持つ女性有権者も多いだろう。

 何より小池の打ち出す「バリバリ働きキャリアを上り詰め、だけどメイクやおしゃれなどの女子力も忘れないエリート女性」のイメージは今の時代にぴったりである。安倍政権の展開する「女性活躍政策」は、日本のネオリベラル・フェミニズムの典型だが、小池はまさにそれを地でいっている。

 一方で日本は世界的に見てもジェンダー格差の大きい国だ。特に政治の世界では女性議員は遅々として増えず、閣僚の会議は常に黒い服の男性たちで埋められている。女性や若い世代の潜在的な不満は渦巻いている。このような「古いオヤジの世界」に単身で斬りこむ「素敵な強い女性」小池に人気が集まるのは当然かもしれない。