子どもが「ひとり遊び」に入りやすくするためのコツ
子どもが「ひとり遊び」に没入しやすい心のコンディションがあります。それは、好きなことに集中している状態です。家に閉じこもる生活が続くと、普段は好んで遊ぶおもちゃでも、発散できないイライラから、「ひとり遊び」に入り込めない状態になります。
そこで一緒にストレスを「発散」する親子遊びをするのがおすすめです。
例えば、私がよくやる「プレゼント」という遊びがあります。新聞紙(大きな布でもよい)を床に広げて、「プレゼントになってくれますか?」と、子どもにその中央に膝を抱えて座ってもらって、子どもを新聞紙で包みます(閉所恐怖症の子どもは怖がるのですぐにやめる)。「まだよ、まだよー」と言いながら、ふんわり包んであげるのがコツです。
そして、他の家族を呼んで「プレゼントです!」と、言ったら、新聞紙を思い切り破って子どもが飛び出してくる。ジーっとすること、思いっきり破って出てくることのメリハリが気持ちをのびやかにしてくれます。布やタオルケットを使ったときは、大人が2人いれば、ハンモックのように持って、子どもを乗せて揺らしてあげるのも楽しめます。
子どもが3歳以上であれば、本当に体力を持て余すので、押し入れと布団を活用してみるのも良いでしょう。マンションで下を気にする必要がある場合は、きちんと子どもに理由を話して、分厚く敷いた布団の上にダイブさせてあげるのもいいかもしれません。ホコリが立ちやすいので(アレルギーの子どもは避けたほうがよい)、換気をしながら大人が子どもの様子を見られる位置にいることが必要ですが、工夫しながら発散も楽しめるようにしましょう。
そして、このような時こそ、大人も一緒に思いっきり遊んで気分転換をしてください。仕事や家事の合間の10分15分で大丈夫。何も考えずに心を空っぽにして、子どもと一緒に思いっきり遊んでみると、大人も心が晴れやかになります。そして、子どもは、自分の存在が忘れられていないことに安心し、安定して「ひとり遊び」の時に集中力を発揮しやすくなります。
保育園や学校に行けず、同じ世代の友達に会えないで、ずっと家族だけで過ごす毎日は、親だけでなく子どもにとっても非日常ですし、社会を作り上げて、支え合って生き残ってきた人の歴史から考えても大変不自然な状況です。しかし、この非日常に一番早く順応するのは柔軟な発想ができる子どもなのかもしれません。頭も心も固くなりつつある大人たちは、少しの間の修行だと思って、出来るだけ楽しくこの状況を上手に家族の成長に役立たせてみせる!という意気込みで、前向きに家族みんなで知恵と力を合わせて乗り切りましょう。