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感染症対策「万全になんかできるか!」 それでも「一斉休園反対」を訴える保育園園長の真意とは

2020/05/01

「臨時休園」にならないと勤務先を休めない人は

山本 臨時休園にならないと勤務先を休めないという保護者の方には、当園のある板橋区は「登園自粛であっても臨時休園と変わらぬ取り扱いをせよ」という要請を文書で出してくれていますので、会社での交渉材料に使ってもらうようおすすめしています。

板橋区:新型コロナウイルスに関連する保育所の対応について

板橋区が出した、保護者の勤務先事業者へのお願いの文章

「うちの場合、どこまで応えればいいものか」

――経済的な理由などから仕事を休めず、自粛要請との間で板挟みになっている家庭に対してはどのように対応していますか。

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山本 板挟みの状態が一番辛いと思います。登園自粛のお願いをした際、当園でも一番多かったご相談が、「園の意図もわかるが、うちの家庭の場合、どこまで応えればいいものか」という問い合わせでした。

※写真はイメージです ©︎iStock.com

 園の方では、保護者の方が職場でどんな役割を担い、その仕事がどのくらいの頻度で必要とされるものなのか、そこまで把握することはできません。ただ、保育園は「3密」が回避できる場所ではなく、感染症対策としては決して望ましい場所ではないということを十分理解してもらった上で、判断についてはご家庭ごとにおまかせしています。

 社会福祉の基本は、「利用者本位」と「自己決定」です。家族会議をするなどして、保護者の方が大いに悩んだ上での結論であれば、どのような判断でも尊重し、保育園が拒否するようなことは一切しません。

 繰り返しになりますが、利用者の方が板挟みになることがないよう、私たちの方からの要求やシャットアウトは一切行いませんという姿勢を呼びかけ、これからも保護者の方の決断を尊重したいと思っています。