子どもがいる家庭では、うしろで泣いてたり笑ってたりする。これまでは「うるさいな」と思っていた人も「これも新しい仕事の環境として受け入れよう」という空気ができてきています。すると子どもが走り回っている姿が微笑ましく見えてきたりもする。新しい環境に適応して、仕事や仕事仲間とうまく向き合えるようになると、許容範囲が広がったり、視野が広がったりするのかもしれません。
ちょっと残念なかたちではありますが、強制的に働き方の変革が進んだわけです。おそらくこれを機会に新しい働き方も定着していくんじゃないかと思いますね。
コロナでビジネスの業態も変わっていく
さらに今回のことをきっかけに、ビジネスの業態も変わっていくかもしれません。
わかりやすいところで言うと、いまウーバーイーツのような飲食店の宅配サービスが重宝されています。ここ1~2年くらいで、だいぶそういったお店を持たない宅配専門のビジネスが増えてきていました。
ぼくのまわりでも、少し前から副業でパン屋さんをやっている人がいます。でも、パン屋店舗は持っていないんです。あくまでも配達専用のベーカリー。そこの食パンがすごくおいしいと話題になって、本業よりも副業の収益のほうが大きくなったらしいんです。「なるほどな」と思っていたら、こんな事態になった。おそらく業態として、こういった「店舗を持たない飲食業」というのがますます加速していくんだろうなと思うわけです。
「お店に人が来ないから飲食業が衰退しちゃう」とよく言われます。残念ながら、もしかしたら短期的にはそうかもしれません。ただ中長期的に見ると業態がガラッと変わっていくきっかけにもなる。飲食業を専門としていない主婦や会社員が参入することで、市場があらためて活性化するかもしれない。
ツイッター上には、すでに新たなビジネスの芽が……
よくよく見ていると、新しい業態とか新しいアイデアの芽がすでにツイッター上では話されています。こういう新しい試みがだんだん広がっていって、数年後にはあたりまえになっているような気もします。ツイッターがそういうきっかけだったり、新しい可能性が生み出される場になっていくとうれしいですね。
ツイッターというのは、そもそもが「マイクロコミュニティの集合体」みたいなところがあります。なので、おそらく新しいコミュニティが生まれていって、そこから違うコミュニティに波及効果を生み出していくと思うんです。
ツイッター自身が変化していって、新たなビジネスを生み出すというわけではなく、新しいビジネスをされる方々の広がりなり、可能性を生み出していく一助となれればいいなと考えています。
(【#1】社長に直撃「Twitterはコロナの誤情報、虚偽情報とどう戦っていますか?」 を読む)
構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋