「第7世代の7~8組だけのせいで、100組以上の芸人が路頭に迷ってる!」

 お笑いコンビ「ニューヨーク」の嶋佐は、お笑い界の現状をそう訴えた。昨今はいわゆる「お笑い第7世代」ブームといわれる状況。20代を中心とする若い世代がバラエティ番組に引っ張りだこになっている。その枠組から外れた芸人が苦しんでいるというのだ。

『爆笑問題のシンパイ賞!!』(テレビ朝日)は、世の中のさまざまな「心配事」をテーマにロケをする番組だが、この日から、爆笑チームと霜降りチームに分かれ、ネタを披露する「特別編」が始まった。その最初に登場したのがEXITとニューヨーク。それぞれの漫才も抜群に面白かったが、それ以上に“ハネた”のが、ネタ後のトークだった。

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爆笑問題 ©文藝春秋

 ニューヨークは自分たちが「第7世代のリーダー」と嘯く。彼らは吉本的には霜降り明星の1期上。嶋佐はEXITりんたろー。の1歳年下。第7世代と呼ばれてもおかしくない。だが、ある番組で「第7世代」を自称すると、一部のお笑いファンからバッシングを浴びた。それをネタにし彼らは自身のYouTube配信で「第7世代」という言葉を最初に提唱したせいやに「第7世代に入れてくれ」と直談判。「第7のリーダーみたいな顔をしたくない」というせいやが「リーダーになってくれたら入ってもいい」と回答したという経緯があった。それに対し待ったをかけたのが粗品だった。あえて悪役を買って出て「令和元年に20代じゃないとお笑い第7世代じゃない」と切り捨てた。「粗品、お前は残酷なことしすぎ!」「お前は悪魔だ!」とニューヨークが糾弾するが兼近も「俺も粗品さん派。線引き決めないと世代の意味がない」と応戦。「俺らより上の世代の人たちって2~3分ネタしたあとにみんなで打ち上げって酒飲んでるんですよ。2~3分しゃべっただけで打ち上げすんなって。ぬるま湯につかってる!」と一刀両断。「俺らからそんな毎日を奪うな!」と屋敷は嘆くのだ。

 お笑いを世代でくくるのはナンセンスだ。けれど、「第7世代」というのはキャッチコピーとしてわかりやすく優れているし、何より自分たち発で作った言葉というのがいい。だからこそ強い力を持ちブームを生んだのだろう。また彼らはブームの怖さを自覚し地に足がついている感じがするのも心強い。一方で、この枠組に入る、入らないにかかわらず、ニューヨークのように「第7世代」という言葉をしたたかに利用して笑いを生み出している芸人がお笑いシーンを活性化させている。そんな熱い“論争”の最後、進行の新井恵理那がニューヨークに対し冷静に言い放ち綺麗なオチをつけた。「コロナ対策で距離とってるんであんまり立たないでください」

INFORMATION

『爆笑問題のシンパイ賞!!』
テレビ朝日系 金 24:50~ 
https://www.tv-asahi.co.jp/shimpai/