韓国メディアによると、連休期間中、済州行きの飛行機は予約率が90%を上回るほど人気だ。金浦空港では連休期間中、計1670便ほどの航空機がソウル~済州を行き来するが、済州行きの飛行機チケットの価格も急騰した。感染拡大の真っ最中だった2月、3月には往復3万ウォンを下回っていた価格が、いまや片道13万ウォンまで跳ね上がった。
済州島には、この連休期間中に18万人以上の観光客が訪れると予測されている。済州島だけでなく、江原道束草(カンウォンド・ソクチョ)や江陵(カンヌン)などの代表的な保養地の宿泊施設は、連休期間の予約率が97%に上る。GW初日の4月30日から鉄道と高速バスのチケットが売り切れとなり、全国の高速道路は平年の週末より混雑する渋滞となった。
韓国交通研究院が2000世帯を対象に実施したアンケートによると、回答者の38.5%がGWに外出計画があると答えた。すなわち、10世帯のうち3~4世帯が家を飛び出して街を歩き回るものと予測される。
この突然の現象に、韓国の防疫当局は旅行の自制を重ねて訴え、どうしても旅行する場合でも小規模に移動することを求めた。GW期間中に最大の人出となる済州島では、連休期間中に「観光非常状況室」を設置し、特別防疫体制を敷いた。
「Kポップ」の次は「K防疫」
もちろん大規模な行楽客の移動は、消費が回復する機会にもなり得る。
GW前日の4月29日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、次のようにメッセージを発した。
「最近コロナ状況が沈静化し、政府は『生活防疫体制』への転換を準備している。ゴールデンウィークに続き、5月中に緊急災難支援金が支給されれば、内需が回復する良いきっかけになるだろう」
旅行の自制を訴える一方、今回の連休を消費心理回復の機会と見ているのだ。
韓国政府はGWが終わる5月5日以降、それまでの外出と団体行動を自制しなければならなかった「社会的距離を置く」という指針を変更し、「生活の中の距離を置く」という日常生活の中の防疫に転換する計画だ。これを受け、全国の小中高では5月中に順次授業が開始され、教会の礼拝など宗教団体の行事も再開される。
最近、新規感染者数が10人前後に落ち込み、4月30日には72日ぶりに韓国国内での「市中感染者ゼロ」となったことから、韓国政府や国民の間では、「コロナとの戦争で勝利した」という自信に満ちている。