4月15日に行われた韓国の総選挙では、文在寅政権を支える与党「共に民主党」など文在寅大統領を支持する勢力が300議席のうち、過半数を上回る180議席を獲得し、圧勝した。
韓国国民は、文在寅政権の新型コロナウイルスへの対応を高く評価し、国難を乗り越えるために変化より安定を選択した。この結果、文在寅政権は議会での主導権を握ることになり、安定的な国会運営が可能となった。
しかし、新型コロナウイルスの影響により、しばらくの間世界経済が減速することを考えると、輸出など対外依存度が高い韓国経済の今後はかなり厳しいと予想される。これから文在寅政権が直面するであろう韓国経済の現状を分析していきたい。
通貨問題という“弱点”
韓国の中央銀行である韓国銀行は3月19日、アメリカの米連邦準備理事会(FRB)と600億ドル規模の通貨スワップ協定(以下、通貨スワップ)を締結したと発表した。
通貨スワップ協定とは、自国の通貨の暴落というような緊急事態、つまり通貨危機が発生した際に、あらかじめ協定を結んだ相手国との間で、自国通貨と引き換えに相手国の通貨を融通してもらうことである。
韓国政府がアメリカと通貨スワップを締結するのは今回が2回目。1回目はリーマンショックによるグローバル金融危機があった2008年10月で、金額は300億ドルであった。