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社員の“本当の能力”がバレている

 まずは企業側の声。社員一人一人のタスクを明確にし、日々のアウトプットを提出、報告させるようになった結果、社員個々の仕事上の能力がはっきりわかるようになったという。

 これまでは一つの部署で複数の社員が机を並べて働いてきたが、一日の終わりに会議をしても、全体の業務の進行の確認をする際に、いちいち一人一人の業務内容をチェックすることは少なかった。ところが社員一人一人が分離独立するテレワークでは、各社員のアウトプットに目を通すことで全体の業務進捗を確認できるようになったことから、意外なことに「働きが悪い」社員と、会社では目立たなかったのに非常に「効率よく」仕事する社員との違いが明確になったとの声が聞かれる。

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 テレワークは社員が自宅で仕事することから制約も多い。日本の住宅事情がテレワークのような生活を想定してこなかったこともあり、自宅で独立した書斎を持っている社員はほとんど存在しない。したがって仕事場は、その多くがリビングダイニングということになる。

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 自宅におけるリビングダイニングはオフィスビルでいえば共用部のようなもの。家族全員が集まってくる場であることから、就業中も休校で退屈しきった子供が抱き着いてくる。いつもは夜まで帰ってこないのに昼間もいることで、ペットの犬が喜んでじゃれつく。現代家庭では夫婦共働きのところも多いので、日ごろは交流の少ない昼間に夫婦の接触が増える。その結果として無用なトラブルまで勃発する。

ついついお昼のワイドショーを見てしまう

 会社からの監視の目が届かないことによる誘惑も多々ある。ちょっと合間にネットを見る。テレビのニュースを見ている間に、いつのまにかお昼のワイドショーまで見てしまう。座り疲れて近所の公園を散歩してつい時間をつぶしてしまう。結果として、適当に作業だけして会社に送信する。まあいいや、今日はこれでおしまい。

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 会社からみれば社員の今まで見えてこなかった能力の確認ができる。社員からみれば通勤して机に座らなくても給料がもらえる。コロナ禍による全国テレワークお試しキャンペーンは、このように会社と社員との関係を見直すきっかけになる可能性が高いのだ。

 さて、こうしたお試し期間はコロナ禍が終息すればいったん終わるのだろうが、その後、会社での働き方はどのようになるのだろうか。コロナ禍は一瞬の社会的なトラブルとなって、また以前のような通勤風景に戻り、人々は何事もなかったように会社の門をくぐるようになるのだろうか。