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 なお、今回のリーグ再開の決定が出る前日にあたる5月5日までの7日間で、1部と2部の該当する全ての選手とスタッフを対象に2回のPCR検査を行なった(2回にわけるのは、現在の検査の精度等の問題で、本来は陽性であるにもかかわらず陰性という結果が出てしまう、いわゆる「偽陰性」の患者を見つけられる確率が上がるから)。

“無防備”? 防護服なしの検査

 1回目のテストは1724人を対象に行われ、そのうちの10人に陽性反応が出た。もちろん、陽性反応の出た者は隔離と治療が必要になった際の準備を強いられたのだが、全体の約0.58%が陽性というのは安全を著しく脅かすものではないと判断された。

 今後も、1週間に2回のペースで検査を継続していく予定になっている。

 ただ、日本人の庶民の感覚からすると、ドイツでPCR検査をする医師らの防護体制が、日本のそれと比べてあまりに無防備なものに映るのは事実だ。検査をする前から陽性が疑われる人と接するときには防護服の着用が義務付けられているが、陽性が疑われているわけではない人への検査の際は必ずしも防護服が必要とされないという。

ドイツ紙「ビルト」が報じたヘルタ・ベルリンのPCR検査の様子。同チーム所属のサロモン・カルーがSNSにあげた動画だ。左のクラブドクターがマスクと手袋をしただけで検査しているように見える

 例えば、ヘルタ・ベルリンのクラブドクターは、マスクと手袋をしただけで、検査を行なっていた。日本人がかかりつけの医者にインフルエンザの検査を受ける姿に近い。また、喉の奥の粘膜をチェックする際に被検者に頭を近づけすぎると指摘する日本人医師もいた。

 日本を含めた他の国で、彼らと同じ検査体制をとるのは、様々な観点からみて現実的とは言い難いかもしれない。

こちらは日本の神奈川県横須賀市、市の救急医療センター駐車場できたウォークスルー式の「PCRセンター」。透明な板付きのボックスから腕を出し、手袋をつけて検体を採取している ©AFLO

要因(2)ホテルでの「自主隔離生活」

 各チームはリーグ戦の前にホテルでの隔離生活を義務づけられた。新型コロナウイルスに感染したり、感染者との濃厚接触が疑われる人は14日の隔離が一般的だ。それはドイツでも変わらないのだが、最近は頻繁にPCR検査を行ってきたために「最低7日間」の隔離をすれば良いとされた。

 首都ベルリンに本拠地を置くウニオン・ベルリンの場合は、5月17日にホームで再開初戦を開催するにもかかわらず、本拠地から326キロも離れた街で試合直前までトレーニングキャンプを張ることになった。

 最大の理由は、ベルリンから遠く離れた街で過ごすことで、「ホテルを抜け出して、自宅などに立ち寄ろう」という“誘惑から選手たちを隔離する”ためだという。