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 他にも、今回のリーグ再開の決定が下される前の検査で選手とスタッフの計3人の陽性反応が出たケルンは、5月7日にホテルに入り、17日の試合日まで11日間滞在する。これは他のクラブと比べると長い。ホテルで過ごす自由時間に退屈しないようにと、ギターを持参した選手もいた。

 なお、彼らは現時点で5月30日まではホテルの部屋を予約してあるという。

 その理由は、(ケルンだけに限らないのだが)初戦が終わったあとに、引き続きホテル等の施設での隔離が義務付けられるのかどうかは、現時点では未定だからだ。なお、再開初戦から次の試合までは7日前後あくが、その後は3、4日間隔で立て続けに試合が予定されている。

 PCR検査の頻度と連動しているものではあるが、日本でも取り入れることは必ずしも難しくはないものであるかもしれない。

大迫勇也のブレーメンは18日にレーバークーゼンを本拠地に迎える ©getty

要因(3)「特別部隊」の“細かすぎる”計画書

 ブンデスリーガの中断期間に、リーグ再開のための「スポーツ医学と特別試合運営に関するタスクフォース」が立ち上げられた。そのトップを務めるのは、医師のティム・マイヤー教授だ。「タスクフォース」というのは聞きなれないかもしれないが、もともとは軍事用語で「特別部隊」を意味する。

 彼らがリーグ再開のための要件と注意点を明記した計画書の作成に取り組んできた。最初にまとめられたのは4月で、全41ページにわたってぎっしりと情報が書き込まれた計画書となった。

 最新版はさらに10ページ増えて、51ページ。これが5月1日に完成した。今後も内容は書き足されていくことになる可能性が高いが、リーグ再開に向けた最大の要因は、これがあったからだろう(当初はドイツ語版だけだったが、後に、外国人選手などのためにも英語版も用意された)。

こちらがブンデスリーガの「特別部隊」が作った“細かすぎる”計画書の表紙だ

 計画書は大まかに8章にわかれている。

「試合日当日のスタジアムへの移動」、「試合前、試合中、試合後の行動指針」、「スタッフの配置」などから、「自主隔離に使用できるホテルの条件」、「練習の際の注意点」などがことこまかに記されている。そのうえで、「PCR検査で陽性反応が出た際の手続きの方法」から、「発症しなかった場合の隔離期間の注意点」まで説明する徹底ぶりだ。

 実際に目を通したがスパルタ教育で知られる高校の校則などが甘いと思えるほどの、細かさだ。

 じっさい、どれくらい細かいのか。試合運営時の感染拡大を防ぐための人員配置のルールに関するパートを紹介したい。