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いま韓国プロ野球がアメリカで突如ブームになっている理由

メジャーも注目する「韓国の大谷」とは……

2020/05/13

 韓国プロ野球が5月5日、開幕した。新型コロナウイルス問題で例年より約40日遅れの開幕となったが、思わぬ効果をもたらした。米国で韓国プロ野球に関心が集まっているのだ。火付け役は米スポーツ専門放送局ESPN。1日1試合、週6日間にわたって、無観客で行われている韓国プロ野球のゲームを中継することになった。

5月5日に開幕した韓国プロ野球。無観客試合となっている ©️AFLO

米スポーツ専門放送局ESPNが話題づくりや宣伝を

 韓国野球委員会(KBO)の元職員によれば、ESPNは数年前から、韓国プロ野球の中継に関心を持っていた。ところが、ESPNが放映権料を安く買い叩こうとして、話は進んでいなかったという。

 すると、新型コロナウイルスの蔓延で、世界でプロ野球が行われているのは台湾と韓国ぐらいになってしまった。サッカーも、欧州のベラルーシや中央アジアのトルクメニスタンやタジキスタン、そして5月8日に開幕した韓国のKリーグくらいで、生中継コンテンツが圧倒的に不足していた。ESPNが放映権料を上積みしたかどうかは不明だが、めでたく中継が決まった。

チアリーダーもマスク姿で ©️AFLO

 世界的にスポーツ関連ニュースが払底している事情も後押ししたようで、ESPNは韓国プロ野球を使って様々な話題づくりを進めた。例えば、韓国の打者がホームランを打ったときに時折見せる、バットを放り投げるしぐさ(BAT FLIP)。メジャーリーグでは、投手への侮辱と捉えられ、それをやった打者は次打席でビーンボールの報復を受けるとすら言われ、タブー視されている行為だ。

 このため、開幕戦で中継したNCダイノス対サムスンライオンズの6回表、NCの牟昌民(モ・チャンミン)内野手が本塁打を放った後でバットを放り投げると、ESPNのアナウンサーが「There is our first bat flip!」と喜んだ。テイムズ内野手(NC→ブルワーズ→ナショナルズ)やリンドブロム投手(斗山→ブルワーズ)ら、韓国球界からの逆輸入選手に解説してもらうなど、韓国プロ野球の宣伝に貢献した。