「NC」と「ダイノス(恐竜)」つながりで人気急上昇
そして、この米国で突然起きた韓国プロ野球人気で一番恩恵を受けたのが、慶尚南道昌原市に本拠地を置くNCダイノスだ。何しろ、2013年からリーグ戦に参入した、韓国で2番目に新しい球団。過去7シーズンでリーグ優勝はゼロと、お世辞にも人気球団とは言いがたい地味なチームだった。
ところが、ESPNが開幕戦でNCダイノスの試合を中継したところ、喜んだ人々がいた。米国東部のノースカロライナ州だ。ノースカロライナの略字もNC。
NCダイノスの親会社はオンラインゲーム大手のNCソフトで、ノースカロライナと関係があるわけではない。しかし、ニックネームのダイノス(恐竜)が、またノースカロライナの人々の気分を盛り上げた。もともと、この愛称は慶尚南道で恐竜の化石が多く見つかっていることに由来するが、ノースカロライナもまた恐竜の化石で有名。米国内のSNSでは、NCが一時期話題を占めるなど、いきなり人気が盛り上がった。
NCダイノス側も千載一遇の機会とばかり、5月8日の本拠地開幕戦では電光掲示板に「What's up, North Carolina?(ノースカロライナの皆さん、お元気?)」と流し、エールを交換した。韓国メディアによれば、米国のファンから球団に帽子やユニフォームなどの購入の問い合わせも相次いでいるという。米国ファンの声援が大きかったのか、NCダイノスは開幕4連勝と好スタートを切った。
この事態に、韓国の人々は大喜びだ。文在寅大統領も5月6日、SNSで「世界が韓国プロ野球の開幕を通じ、いかにして防疫と日常を共存させながら、スポーツを楽しむことができるのか注目し、学んでいる」と激賞するメッセージを発信した。