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子供がどう感じているか思いやることが大切という(画像はイメージ)

毒親には世代間の違いも影響している

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――毒親と気付ける人と気付けない人の違いはどこにあると思う?

一般的には強迫観念が強い人ほど、「私は正しい」という思い込みが強い人ほど、自分が毒親だとは気付きにくいと思います。ただ、強迫観念や思い込みが強くても気付ける人もいるので、家族や自分の問題を解決しようという意志が強い人は、変われると思います。

私個人としては、毒親の毒である不安や恐怖、感情まひは、戦争(敗戦)の後遺症だと考えています。戦時中や敗戦直後に子供だった世代に、毒親の特徴が顕著にみられるからです。彼らを第一世代とすると、私は第二世代、今の若い親が第三世代と言えるでしょうか。

この間に、日本は戦後の焼け野原から豊かな国へと急変貌し、ネット社会となりました。こうした社会背景の違いによる世代の差が、気付ける親と気付けない親を分けている気がします。


――第一、第二、第三の世代の違いとは?

まず、第一世代は自分が毒親だと気付くことはかなりまれだと思います。なぜなら子供がどんなに文句を言おうと、彼ら自身の子供時代がよほど苛酷だったからです。

そんな親の下で育った第二世代では、子供が精神を病むなどして追い詰められると自分の問題に気付くこともあるでしょう。ただ「私は正しい/いい親」という思い込みが強いと、どこまでも子供の問題だ、と考えてしまいがちです。

仮に「あなたは毒親だ」と非難されても、子供自身はそこそこ社会適応している。そんな場合も現実でなんとかなっているため、親は自分の問題を気付けないことが多いです。つまり、追い詰められて苦しまないと自分が毒親だとは気付きにくいのです。

第三世代以降は、物心ついたときからネット社会で情報が収集しやすいので、親の問題にも自分の問題にも気付きやすいと思います。中には子供をもつ前から、「このままでは自分は毒親になってしまうから、今のうちになんとかしたい」と考える人たちもいますね。