フジテレビ系のアニメ『サザエさん』(日曜夕方6時30分)が、きょう5月17日より当面のあいだ、過去の回の再放送となる。新型コロナウイルス感染拡大の影響にともない、アニメの制作を継続するのが困難な状況ゆえの対処だ。『サザエさん』ではいまから45年前、1975年の2月2日から3月2日にかけても、第1次石油危機の影響で再放送に切り替えられたことがあった。石油危機が起こったのは1973年10月だから、1年以上経って影響が出たことになる。ついでにいえば、1975年4月からは、毎週火曜の夜7時に「ま
アニメ版『サザエさん』の作品世界は、声優の交代こそあれ、1969年10月の放送スタート以来、ずっと変わりがない印象がある。しかし、実際には、これまでにたびたび登場人物が入れ替わるなど変化もあったし、番組に新風を吹き込む
隣人も三河屋も交代した「サザエさんの大転換」を知っていますか?
歴史をさかのぼれば、『サザエさん』は1985年、大きな転換を経験している。この年、作品のなかでは登場人物の退出と加入が繰り返された。3月31日の放送では、サザエさん一家(磯野家)の隣りに1978年以来住んでいた画家の浜さん一家が引っ越していき、また、酒屋の三河屋でご用聞きをしていた三平さんが結婚のため故郷の山形に戻ることになった。
浜さん一家の引っ越しは奥さんの病気療養のためで、サザエたちは最後の思い出にと、浜さんたちの引っ越し先である伊豆を旅行している。旅行にはサザエのいとこのノリスケ一家も同行し、じつは彼も転勤のため家族で名古屋に引っ越すことが明かされた。もっとも、ノリスケたちはその3ヵ月後、6月16日の放送で早くもあさひが丘に戻ってくる。続いて7月7日の放送では、三河屋の三平さんに替わり、現在までご用聞きを務める三郎さんが初登場。翌々週にはさらに、磯野家の隣りに新たに小説家の伊佐坂先生一家が引っ越してくる。ちなみに伊佐坂先生は、すでに放送2年目の1970年にも隣人として登場しているが、現在とはまったく違うキャラクターとして描かれていた。