また当時、元慰安婦の施設である「ナヌムの家」で暮らす別の慰安婦が、お金を受け取りたいができないといって泣いたと話し、元慰安婦らの意向が反映されないまま支援金の扱いが決められたと指摘した。
李さんは 1993 年に自身の慰安婦としての体験を出版するなど、元慰安婦の受けた被害を内外に訴え、日本政府に謝罪と賠償を求めてきた。2007年にアメリカ議会下院で証言に立ち、それを元に映画が作られるなど、韓国では慰安婦運動の象徴ともいえる存在だ。2017年にアメリカのトランプ大統領が訪韓した際には、文大統領主催の晩さん会にも招かれ、トランプ大統領をハグしたことでも知られる。その李さんが支援団体に不信感を露わにしたことで、韓国社会に波紋が広がった。
慰安婦を食い物に?ずさんな会計処理に批判集中
李さんの告発を受け、正義連側は寄付金の用途について「定期的に会計監査を通じて検証し公示手続きを公開している」とし、問題ないとの立場を明らかにした。さらに、11日には会見を開き、支出の詳細について釈明した。
正義連によれば、2017年~2019年までの3年間の寄付収入は総額22億 1900万ウォン(約 1.9 億円)このうち41%に相当する9億 1100万ウォン(約 7900万円)が元慰安婦への支援事業費として使われた。支援事業費には健康治療、人権・名誉回復活動、定期訪問、外出同行、感情の安定、避難所の運営などに対する支援が含まれるとしている。
しかし、国税庁のホームページに掲載されている団体の会計報告には、寄付金の使用件数や対象者数に 99、999 といった数字が多用されるなど、信憑性に疑問の声が上がった。また、記念行事の開催として計上した 3300万ウォン(約 290 万円)の飲食費のうち、実際の請求額は 972 万ウォン(約 84万円)だったことが報じられるなど追及が相次いだ。支援団体が元慰安婦を食い物にしていた疑惑が浮上したのだ。