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また、自身の娘に取材が及んだことに関連し、娘の不正入試疑惑など数々の疑惑をめぐって取材攻勢にさらされたチョ・グク前法相に言及して、メディアを批判した。与党「共に民主党」と与党の比例政党「共に市民党」は内部文書で、4月の総選挙を「親日戦」と規定し、選挙戦を展開した。

尹氏はそれと同じ論理で、自らと支援団体への批判に「親日」のレッテルを張ることで封じ込めようとしている。だが、これは問題のすり替えと言わざるを得ない。団体が自賛するように、戦争被害者としての慰安婦の存在に焦点を当て、社会的復権を果たすために団体が一定の役割を果たしたことは事実だろう。

しかし、支援団体の活動はあくまで元慰安婦らの意見や立場を代弁していることが前提だ。李さんの告発はその前提を揺るがした。慰安婦問題が政治運動化される中で、元慰安婦ら個々の心情は置き去りにされ、不正が横行した可能性が指摘されたからだ。日韓合意に基づく支援金の支給問題でも、元慰安婦らの意向は無視され、運動の論理が優先されたのではなかったのか。

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韓国の行政安全省は正義連に対し、寄付金の支出内訳などをまとめた出納簿の提出を求めた。「親日」を振りかざして批判を封じ込めるのはもっての外だ。尹氏と支援団体はまず、会計不正など一連の疑惑に真摯に答える必要がある。

【執筆:フジテレビ 国際取材部長兼解説委員 鴨下ひろみ】