元慰安婦が支援団体を涙の告発
元慰安婦の支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(以下、正義連)に対し、批判が噴出している。正義連の前身は「挺身隊問題対策協議会」(挺対協)で、1992年から日本大使館の前で毎週水曜に抗議集会を開くなど、慰安婦運動の先頭に立ってきた団体だ。前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)氏は 4月の国会議員選挙で与党の比例政党・共に市民党から、比例7位で立候補し当選を果たした。
その正義連と尹氏に反旗を翻し、疑惑を提起したのは、他ならぬ元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(92)だった。
「騙されるだけ騙され、利用されるだけ利用された」
李さんは5月7日、生まれ故郷の大邱で記者会見を開き、30年間活動を共にしてきた団体を痛烈に批判した。また、団体が集めた寄付金が元慰安婦らの支援のために使われていないと主張、寄付金の使途や活動のあり方に疑問を呈した。
「(水曜)集会の時にお金のない学生がなけなしの寄付を出すが、一体どこに使ったのか。(慰安婦のために)お金を使ったことがない。私が壁掛け時計を買ってと言っても、何一つ買ってくれたことがない」 「今後は水曜集会には出ない。集会は学生達の心を傷つけるだけだ」
28年間続く水曜集会に度々参加してきた李さんだが、集会の度に学生が寄付するのを見て心を痛めていたという。李さんは、集会は若者に「憎悪を教えている」として、集会への不参加を表明すると同時に、「集会は止めるべきだ」と訴えた。李さんの非難の矛先は尹氏にも向けられた。2015 年の慰安婦問題をめぐる日韓合意の際に日本が 10億円を拠出することになったのを、尹氏が事前に知っていたにもかかわらず、元慰安婦らには知らせなかったというのだ。
「2015 年韓日協定(慰安婦の合意)の時だ。10億円が日本から入るのを尹美香代表だけが知っていた」 「私はお金が、10億円がいつ入ってきたのか知らない。おばあさん達が自分の意志で受け取ったものではない。(支援団体の)人々が何もわかっていないおばあさん達を利用して受け取った」