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リモートワークで大切なのは「衝突」だった――100人100通りの働き方を実現するために

『《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方』より#2

2020/06/03

 再び確認の連絡を送るにしても「メッセージちゃんと見てる?」と送るのではなく、「今、見られない状況になってる?」と送ることで、相手が受ける印象もだいぶ変わってくると思いませんか?

 ツールはあくまでもツールです。ツールの先には使う人がいます。考えてみれば当たり前のことなのですが、パソコンやスマホを常時使っていると、皆さん忘れがちになっている瞬間も多いのではないでしょうか。

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ルールを作ると「相手のこと」を考えなくなる

 相手のことをしっかりとおもんばかること、つまり相手の仕事のスタンスを理解できれば、連絡や情報共有でのトラブルも起きにくくなります。あくまでコミュニケーションは、送り手と受け手のキャッチボールによって成立します。お互いが気持ちよくキャッチボールをするには、相手が受け取りやすいところに、適切な力でボールを投げる必要があります。言葉を介したオンラインコミュニケーションでも、相手に届く言葉づかいで伝えてあげるといいと思います。

 相手への配慮があれば、オンラインコミュニケーションの仕方は一律ではなくていいと思います。例えば、ある人には「この人は仕事の連絡はすぐにチェックしたいはずだから、夜中でもオンラインで送って『朝に返事をください』と添えておこう」と連絡したり、またある人には「この人は育児で大変な時期だから、家にいる時間は連絡しないでおこう」と配慮したりすることです。

ルールづくりは業務効率化には有効だが……

 反対に、「土日は絶対に連絡しちゃダメ」、「平日の業務時間後は連絡しない」といった一律なルールを作るのは得策ではないと思います。一度ルールを作ってしまうと思考が停止してしまいます。ルールを決めることは、仕事を円滑に進めるうえでは確かに有効です。しかし一方で「これはルールだから」という紋切り型の対応に陥りがちになります。ルールではなくみんなの働き方を理解し、尊重しながら仕事のスタンスを明確にしていくことが、最もみんなが幸せに働けることにつながるのではないでしょうか。大切なのは、相手のことを考え、想像して、どうコミュニケーションを取ればよりよく仕事が進むかを考えることです。