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またも「慌てて幕引き」パターン

 実はこれ、時系列で追うと興味深い。文春のあの記事には「5月17日」の日曜に黒川氏本人に直撃したとある。そして翌日、読売が「検察庁法案 見送り検討」(5月18日)と一面トップで書いた。

 文春に記事が出ることを黒川氏が官邸に報告(日曜)→その日に慌てて見送りの方向を決める→月曜の読売一面、という展開が、想像だが思い浮かぶ。

 これってどこかで見たなと思ったら、桜を見る会に批判が集まったら「来年は中止」としたあのやり口だ。

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©︎文藝春秋

 マズいと思ったら慌てて幕を引く。そして何があったかは説明しない。同じ頃の英語民間試験延期もそうだった。あたかも萩生田光一文科相の英断のようにみせた。

 つまり、「例の振る舞い」が今回も見えたのだ。それは「姑息さ」と言い換えることができる。

 やはり今回の検察庁法改正案は姑息の集大成なのである。