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ペットのブタを追いかける元気な少女だった
1997年、木村さんはインドネシア人の父と響子さんとの間に生まれ、神奈川県で育った。幼いときに両親が離婚してからは、東京・葛飾に引っ越し、しばらくは母と2人暮らしだった。当時の木村家の近隣住民が話す。
「花ちゃんが小学生くらいの頃、ペットとしてブタを飼っていて、よく脱走したブタを元気に追いかけていて活発な子でした。当時はお母さんも現役レスラーだったので、試合でいないときは、おばあちゃんが花ちゃんの世話に来ていました。お母さんはしつけに厳しく、『なにやってるの!』と、よく家の外まで花ちゃんが怒られている声が聞こえてきました。目が大きくて可愛らしい女の子でしたよ」
小中学校の同級生が振り返る。
「とことん素直なんですよね。自分の思ったことは何でも表に出していました。木村は柔道部に所属していて、私が柔道部の部室を片付けていたとき、木村の荷物をどかして掃除をしただけで、『やめてくれる?』とめちゃくちゃ怒ってきた。
そんな性格もあって、中学の時はからかわれていたこともありました。心ない言葉を同級生男子に言われていました。なんでもストレートに言う木村ですが、そのときだけは何も言い返してなかった。怒るわけでも、泣くわけでもなく、ただただ黙って聞いていた。優しいからなのか、周りにSOSも出さないんですよね。何もなかったかのように。彼女から『辛い』って言葉は聞いたことないですね」
地元の公立中学を卒業後、都立の高校へ進学。木村さんが冒頭の男性と出会ったのはその頃だった。