いよいよ年の瀬。年末恒例、清水寺で発表された日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」は「金」。リオ五輪での金メダルや東京五輪の巨額経費などが理由らしいわ。でも、ボクが選ぶ今年の一文字は「崩」かしら。これまでの常識が「崩壊」した一年だったからよ。
例えば、アメリカの大統領選挙ではトランプが勝利。大手マスコミの予測が総“崩”れ、というまさかの事態に世界中が大混乱! 民衆は旧来の政治の象徴であるヒラリー・クリントンに「NO」を突き付けたということかしら。
フィリピンでドゥテルテ大統領が誕生したのも衝撃的だった。「麻薬犯罪者は射殺」「アメリカと決別する」なんて暴言を吐いて犯罪撲滅作戦中に五千人以上が殺害された。でも国民の支持率は八割超! 麻薬ビジネスに代表される国家の腐敗構造を“崩”そうとする姿に人々が熱狂したのよ。
政治と財閥の癒着が当たり前のように続いてきた韓国でも、今回の朴槿恵大統領の問題では民衆の怒りが爆発。「政府に対する信頼が“崩”壊した」と、若い世代を中心に大規模なデモが起こった。大統領の弾劾が決議され、職務が停止されても、人々の怒りが収まらないとは……。ホントあのマグマはすごいわね。
すべての「崩壊」が教えてくれるのは、民衆の不満や不安を吸い上げ、その心をつかむことの大切さじゃないかしら。そういう意味で東京都の小池知事は賢明ね。「都民ファースト」と都民の声を代弁する立場をとって、都議会の「悪しき常識」も“崩”した。柔軟な対応が際立っているわね。
ボクの目下の心配は移民に厳しい次期大統領の影響でアメリカの教育現場で多文化共生の理念が揺らいでいること。「すべての人種は平等、皆で仲良くしよう」と教えなきゃいけないのに……。来年は希望の「希」があふれる年になってほしいわ♡