これこそ日本が誇るべき頭脳
最後に、蛇足になりますが3月3日の段階で西浦博先生のクラスター対策が功を奏すであろうと予測し、その天才性を指摘した、神戸大学・中澤港先生のエッセイをご覧ください。
専門的な表現も多いので読み解きは大変かもしれませんが、「このことを対策班が強く言っていないように見えるのは,やったとしても成功するとは限らないので,失敗したときの反動が怖いからだろう。モデルは完璧では無いし,ヒトの行動も理屈に合わない場合も多々あるので,仮に失敗してもクラスター対策班への信頼は失わないで欲しい」とし、「クラスターの連鎖でR0(基本再生産数)が高まるからクラスター対策すればR0<1にできるかも,という可能性は2月15日に発表された論文で示され」「クラスターに共通する特徴を見つけてクラスター発生を予防するという発想」で日本モデルとまで言えそうな感染症対策に昇華させた西浦博先生の天才性を早期に予見しています。
鐵人三國志【第328回】 クラスター発生を予防できる可能性(2020年3月3日)
https://minato.sip21c.org/im3r/20200303.html
これこそ、日本が誇るべき頭脳とそれをきちんと評価できる専門家ネットワークそのものであって、日本医師会の英断や結核対策として生き残ってきた保健所・保健師の仕組み、医療機関の頑張りが日本人の自粛をまともに守る気質とともに死亡者を減らすことのできた要因であろうと思うのです。
少なくとも、感染症の分野はまともな学者さんや医療クラスタにきちんと専門性のある議論は任せ、経済的に負ったダメージを乗り越えるために私たちにいま何ができるのか考えていきたいものです。
INFORMATION
ついにこの日が来てしまった……。文春オンラインの謎連載、特にタイトルがあるわけでもない山本一郎の痛快ビジネス記事が待望の単行本化! 現在、Kindle Unlimitedでも読めます。
その名も『ズレずに生き抜く 仕事も結婚も人生も、パフォーマンスを上げる自己改革』。結婚し、出産に感動するのもつかの間、エクストリーム育児と父父母母介護の修羅を生き抜く著者が贈る、珠玉の特選記事集。どうかご期待ください。