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「ネッピー」の魅力と「それいけ!ネッピー」

 ロッテの「マーくん」が実はドラムのフルセットを巧みに叩くとか、某「トラッキー」のギターの構え方が「弾ける」それだとか、語り出したらキリがない。球団のマスコット達にはまだまだ隠れた魅力が満載で、これからもファンの人たちを魅了し続ける事だろう。やはり野球には、つくづく色々な楽しみがある。

 最後に、場外ステージのマスコットとの共演で一番印象深かった出来事をひとつ。それは「ネッピー」との共演の時の事だった。当時は既にオリックス・バファローズのマスコットは「バファローブル」になっていたのだが、それでも、復刻イベントにはいつも「ネッピー」が登場してくれていた。

ネッピーと仰木監督

 そんなある日、ステージ袖で登場を待つ「ネッピー」をまさに呼び込もうとしたその瞬間、「ネッピー」の姿をチラリと見た客席の女性が号泣してしまったのだ。あまりに泣いているのでマイクを向けて理由を聞いてみた。女性は「自分は神戸っ子で、それでありとあらゆる感情がこみ上げてきて来て、もう自分でもどうしようもなく涙が止まらない」のだと話してくれた。号泣しながらその女性が満面の笑みを浮かべていたからだろう、会場全体が優しい笑顔に包まれていたのがとても印象深かった。それが「ネッピー」の魅力なんだろう。

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 もしこのコラムを読んで「ネッピー」に興味を持った人がいるのならば、是非一度(このコラムにも度々登場する花木球団PMの名著)「それいけ!ネッピー」を読んでみられる事をお勧めする。ここで多くは語らないが、きっと泣いていた女性の気持ちが少し分かるのかもしれない。

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