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 1995年の「アジア女性基金」、2015年の「日韓合意」と2度にわたって韓日政府が苦労をして作った合意を「反日」扇動を通じて無効にし、韓国国民に日本が過去の歴史に対して謝罪しないかのような認識を植えつけました。この経緯をみれば、正義連はすでに「慰安婦問題の解決に関心を持っている団体ではない」と分かると思います。

――韓国メディアの責任については、どのように考えますか?

 ある韓国紙が、正義連は「神聖な権力集団」になったと指摘したことがありましたが、正義連にも尹氏自身にも、「誰も私たちには手をつけられない」という驕りがあったのでしょう。戦時中に受難を経験して、やっと告発者として立ち上がったハルモニたちを前面に出している運動に対して、誰でも異議を唱えにくい。その状態が長く続いてしまい、誰も批判できない団体になっていたのです。 

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 本来はメディアが監視すべきでしたが、もし問題点を指摘したら社会全体から非難の“じゅうたん爆撃”を受けることになる。正義連が持っている権力は、そんな「世論の権力」でもあったのです。

朱益鍾氏 ©文藝春秋

韓国人の意識は変わるのか?

――今回の疑惑で韓国人の慰安婦問題への意識は変わっていくのでしょうか?

 いま韓国社会は、正義連の会計の透明性を高め、運営を改善すれば、全ては解決するだろうというムードです。しかし、それは間違いです。会計だけ透明化しても、慰安婦運動が正当性を持つわけではないからです。

 韓国メディアは、いまだに挺対協を恐れて、運動自体を批判することは躊躇しています。しかし、彼女たちの慰安婦運動が本当に慰安婦のためのものではなく、韓日関係を仲違いさせるための政治運動である点を追及して、韓国国民にしっかりと知らせてもらいたいです。