コロナ禍で沈静化していた山口組の対立抗争だったが、その“解禁”を告げるかのように白昼堂々、岡山の繁華街に銃声が鳴り響いた。
5月30日、神戸山口組系池田組の若頭、前谷祐一郎(58)が岡山市内で銃撃され、重傷を負った。撃ったのは、対立する6代目山口組系大同会幹部だった。
この日、神戸山口組系池田組では、4年前に亡くなった同組幹部の法要が執り行われていた。銃撃は、その法事後に起きた。午後2時半ごろ、岡山市北区の中心部の繁華街にある池田組本部に戻った池田組幹部らが駐車場に車を停めて、降りたところに1人の男が静かに近付いていった。そして、5、6メートル離れた所から、男はいきなり拳銃で数発発砲し、うち1発が前谷の腹部に命中した。
報道によると、現場に「待て、こら!」などと怒声が響く中、計7発の銃声が街に響いたという。男は近くに停めてあった車で逃走。その車を止めようとした池田組組員らを振り払い、走り去った。
銃撃したのは山口組系大同会幹部の岸本晃生(52)。逃走して間もなく、配備中の警察官に発見され、銃刀法違反の現行犯で逮捕された。岡山県警は、今後は前谷を殺害しようとした殺人未遂容疑でも取り調べる方針だ。