今シーズンのプロ野球が、6月19日に開幕することになりました。

 私はかねてから開幕推進派でもありましたし、率直に開幕することは大きな一歩だと感じています。

 スタートが約3カ月遅れとなることで、レギュラーシーズンは143試合から120試合に縮小されます。また当面は無観客試合となることから、経営的な観点に立てば、各球団は厳しい状況に直面せざるを得ません。のちほど大まかな試算を紹介しますが、端的に言って赤字は覚悟しなければならないでしょう。

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 新型コロナウイルス感染拡大の第2波が来る可能性も十分にあります。先日、ジャイアンツの選手が「微陽性」と判定され、練習試合が中止になりました。開幕前、またシーズン中に、類似したケースが今後も出てくるかもしれません。前途は多難です。

 それでもやはり、プロ野球には今年のシーズンをまっとうしてもらいたい、と私は願います。

横浜スタジアム ©iStock.com

プロ野球が先頭を切って開幕する意味

 コロナによって、特に大きな打撃を受けた業界の一つが、エンターテインメント業界、エンタメです。大規模なイベントなどは軒並み中止となり、大勢の人が集まり、盛り上がって楽しむことで成立していたビジネスは、稼ぐ手段を失ってしまいました。

 もちろん、このエンタメには、スポーツ界も含まれます。

 試合が開催できないという致命的な状況のなか、3月以降は、ウイルスの感染拡大が落ち着くのをただ待つしかありませんでした。

 緊急事態宣言が解除され、平常時の生活が戻ってきつつある今、プロ野球が先頭を切って開幕することには重要な意味がある。

 それは、プロ野球こそが、エンタメ業界が新たな日常を創り出そうと進み始めていることの、象徴的存在となれるはずだからです。