魔の夏休み明けが近づいてきたわね。そう、子供の自殺が増える時期。以前は九月一日が危険だったけど、最近は八月最終週から始まる学校が増えてるから、この雑誌(週刊文春8月31日号)の発売日から一週間位が勝負なの。
学校で辛い目にあっている子は、夏休み中、安全な場所で少し元気を取り戻す。そんな子が久しぶりに学校に行くと「うわあ、残酷な世界はちっとも変わっていない」と絶望してしまうの。ボクは声を大にして言いたい。逃げるが勝ち、学校休んでって! 一度休んだらそのまま不登校になるんじゃないかと心配して、親御さんはつい行かせたがるのよね。でも、生きてさえいてくれれば、道は切り拓くことができるんです。
青森市の葛西りまさんも、二学期の二日目に飛び込み自殺をした。彼女の場合、ご両親はいじめを把握していて転校させようとしていたの。でも、ラインでもいじめられていたから、転校したって変わらない、と、同じ学校でがんばり続けたのね。
彼女の死因を「思春期うつ」に帰そうとした審議会に遺族は異議を申し立てた。「死人に口なし」とばかりに、教育行政が自殺の原因を「いじめ」とさせまいとする現象が頻発している。三年前に同じ青森で高二の女生徒が自殺した時も、最初、第三者機関は「摂食障害」が主な原因として、いじめとの因果関係を過小評価しようとしたの。
最近仙台、青森といじめ自殺が頻発している土地を訪れ話を聞く機会があった。現地の人々は行政の関係者も含め、いい方ばかり。そのことが衝撃的だった。こんなに熱心で物のわかる方が多いのに、なぜ組織として動くとこうも実態が歪められてしまうのか。問題の根深さを感じたわ。
いじめにあっている子供たちにもう一度言いますね。スマホなんて捨てればいい。つらかったら、迷わず学校からもラインからも逃げて!