青森県黒石市の夏祭り「黒石よされ」の写真コンテストにまつわる騒動にはホントに腹が立ったわ! 最高賞である黒石市長賞に選ばれた作品に写っている少女が、いじめを苦に自殺した青森市の中学二年生だとわかり、授賞が取り消されたのよ。
ご遺族の了承も得て賞を内定したのに、あとから事情を知った市長が「まずいんじゃないか」と再検討を促したとか。なんという非情!「亡くなった子の写真を公開していいのか」といった非難が起こるのを恐れたのだと思うけど、そういう「事なかれ主義」には怒りがこみ上げるわ。
「いじめられている子の力になれば」との思いで、ご遺族が写真や名前を公表したことで、市に苦情が殺到。結果的に「授賞取り消し」は撤回。顔を出してメディアに対応されたお父様の勇気に感服したわよ。何より胸を打たれたのが、写真のなかの少女の笑顔! 自慢の「手踊り」を披露する少女の姿は本当に光り輝き眩しい。木々の緑と真っ赤な傘のコントラストも印象的。作品として優れているのだから受賞は当然よ。
その祭りからわずか十日後の八月二十五日、少女は命を絶った。「ストレスでもう生きていけそうにない」との遺書を残して、電車に飛び込んだの。前日が始業式で、やっぱりいじめが始まったのね。それで一気に心が折れて……。彼女は学校以外にも「手踊り」という自分の居場所、輝ける舞台を持っていたのに。それがボクは大ショック。
少女の笑顔を奪ったものはなにか。あの一枚の写真はそれを雄弁に物語っている。あの写真だけで「いじめがいかに酷い行為か」伝えられる。残念だったのは市長の対応。彼女の無念を真摯に受け留めて、「黒石からいじめをなくす」という決意を示してほしかった。この写真を胸に刻んで、いじめのない学校を社会全体でつくらなきゃ。それが大人の責務よ!