沢口靖子の「だれが26やねん。ハハハ」
1992年の蚊取り器「キンチョウリキッド」のCMでは、それまで二枚目俳優として売っていた近藤正臣が、タヌキの着ぐるみでスクーターに乗りながら「30日、30日、いっぽんぽん~」と歌って衝撃を与えた。「タンスにゴン」のCMでも、2000年から女優の沢口靖子が出演し、ひな人形に始まり、政治家などさまざまな役に扮しながら、毒舌や自虐めいたセリフを口走るのが話題を呼んだ。2005年のシリーズ最後のCMでは、沢口が本人役で登場し、ヘアスタイリング中に携帯電話で話しているというシチュエーションで、「タンスにゴンのCM契約終わってん。いつまでもアホなことばっかりやってられへんやろ。私もう今年で26やで。だれが26やねん。ハハハ」と、ひとりでボケとツッコミまでやってのけた。これらCMの印象からか、芸能界において金鳥は恐れられる存在でもあるらしい。ある大物女優に出演依頼するため、所属事務所に電話して「金鳥なんですけど」と告げたところ、マネージャーに10秒ぐらい笑われて、切られたこともあったという(※2)。
「あーあ、おじいちゃん、また“死んだふり”してる」
金鳥はまた、老いや死など、CMではタブーとされるような要素も