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「人も羨む妻」と「順調な生活」だった渡部不倫が、あまりに“典型的”な理由

全てを手に入れたい男の過ち

2020/06/19
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スーパーミラクル自分勝手な男

 第一に、冒頭のサイコな金髪不倫女のセリフのように、結婚生活の続行を前提とした、つまり離婚する気などサラサラない男の不倫というのは、自分の都合を究極まで優先した結果、成立している。つまりスーパーミラクル自分勝手な男なのであって、そういう男にとって女というのは、自分の人生を彩り、豊かなものにするツールに過ぎない。自分の世界がより輝き、より完璧な自己満足ができ、より理想を追求するために女性を使うため、「男の理想」を絵にかいたような女を好む傾向がある。西麻布のラウンジなどで見かけた、社会的ステイタスと財力があって、セミプロの女を好きなだけ抱いている既婚男性たちの妻が、ブスであった例がない。

著書『希んちの暮らし』発売記念イベントに笑顔で登壇した佐々木希 ©時事通信社

 そして困ったことに、この「全てを手に入れた」ように一瞬見える男たちの意識する「全て」には、妻以外の女や、その女との刺激的な情事が含まれていることが未だにあまりに多い。何でも欲しがるオジちゃんは、誰もが羨む車や本妻や高級マンションや仕事の他に、「美人の愛人」や「自由気ままなセックス」も手に入れないと、「全て」を達成した気分にならないらしい。

©iStock.com

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 だから彼らにとって、「美人の妻」と「刺激的でディスポーザブルなワンナイト」はセットで、どちらが欠けても満足し切らないので、妻が美人なことは意外どころか絶対条件である。もっとも「刺激的」は結構千差万別で、「巨乳のグラドルの愛人」を刺激と捉える人もいれば、「どうでもいい女を雑に扱うこと」を刺激と捉える人もいれば、「金のかかる女を両手に携えて好き放題すること」が好きな人もいるのだけど。