6月18日から韓国北西部・仁川市で開かれた、第34回韓国女子オープンゴルフ選手権大会。最終日の21日は快晴・最高気温29℃という気候のなか、韓国を代表するトップスター選手らが熱戦を繰り広げた。
この日、LPGA(全米女子プロゴルフ協会)ツアーで活躍する“海外派”と、韓国を拠点にする“国内派”が上位を争う展開に、現地メディアはいっそう沸き返った。大会を制したのは“海外派”のユ・ソヨン(29)だった。
1987年に始まった韓国女子オープンは、“韓国最高のナショナルタイトル”を争うKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)のメジャー大会。ただし今年の大会は、例年と大きく異なる点が1つある。それは、いつもなら会場を埋める4万人近い観衆が1人もいなかったこと。理由はもちろん新型コロナウイルス対策だ。
世界で初めてツアーが再開できた理由
2010年に就任したマイケル・ワン現コミッショナーの下、グローバル化を推し進めてきたLPGA。昨年は32のツアーのうち、12がアジアを中心にアメリカ以外で開催された。だがいまその勢いに急ブレーキがかかっている。新型コロナウイルスの影響で、海外での開催が難しくなったからだ。
今年上半期は1~2月に米フロリダ州及びオーストラリアで各2大会を開催して以来、内外でのトーナメントが全て延期ないし中止。さらに下半期は海外で10近いツアーが予定されていたが、すでに8月の東京五輪、仏エビアン選手権、ULインターナショナルクラウンが延期ないし中止となっている。
JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)も厳しい状況は変わらない。今年に入って3月の開幕戦から8月のCATレディースまで、計21のトーナメントが中止を余儀なくされた。6月25日から今季初戦となる「アース・モンダミンカップ」が開催されたが、残りをもれなく開催できたとしても、今季のツアー数は16にとどまる。また賞金額の大きな大会が相次いで中止されたことで、賞金総額は当初予定の39億8500万円から18億500万円に減少した。
そうしたなかで健闘しているのがKLPGAだ。5月14~17日には新型コロナウイルスのパンデミック以来、世界初のツアー再開となるKLPGAチャンピオンシップを成功裏に閉幕。その後も韓国女子オープンまで、順調に開催実績を重ねてきた。
6月時点で9つの大会がキャンセルされているが、今季を通して計23のツアーが開催を予定している。賞金総額は当初予定より13.4%減となったものの、それでも前年を上回る234億ウォン(20億6300万円)。史上初めてJLPGAの賞金総額を超えることになった。