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「震災復興と言えば、オリックスとタンタン」みんなに愛されたパンダの帰国、園長の思い

神戸市立王子動物園で過ごしたタンタン20年間の物語 #2

2020/07/05

 2020年7月に「日中共同飼育繁殖研究」の契約期間を満了し、中国へ戻る予定の神戸市立王子動物園のジャイアントパンダ、タンタン(旦旦)。当初は、7月となっていた帰国予定日だが、新型コロナウイルスの影響で、今のところ未定となっている。

 20年間みんなを元気づけてくれたタンタン……。タンタンって、どんなパンダだったの? お別れ会は開かれるの? タンタンが行く施設って、どんなところなの?

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策のため、ジャイアントパンダの観覧が抽選制となっている同園。なかなか気軽に行けないし、情報が足りない! 気になってしかたないタンタンのことを、担当飼育員さんと、同園の園長に聞いた。(前後編の後編/前編「『タンタンは日本一やと思う』まもなく帰国の神戸のアイドル・タンタンと飼育員の絆」はこちら

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タンタンが行くのはどんなところ?

 タンタンが行く都江堰(とこうえん)基地は、どんなところなのだろうか。ここからは、飼育展示係長の谷口祥介さんに、お話をうかがった。

「私たちが、ジャイアントパンダを借りている、中国パンダ保護研究センターには、4つの基地があります。そして、その4つそれぞれが、野生復帰や繁殖などの得意分野を持っています。タンタンが行く予定の都江堰基地は、疾病や高齢のパンダのケアを、得意とする基地なのです」

 谷口さんは続ける。「都江堰基地は、成都の近くにあり、四川省のパンダの生息域にも近くて、自然が豊かなところです。敷地も広大で、自然の竹林もあります」。

やぐらの上でくつろぐタンタン(王子動物園公式アカウントの5/4のツイートより

 都江堰基地の敷地面積は、約50ヘクタール。王子動物園の敷地が8ヘクタールなので、比べものにならないほど広い。「スタッフの知見や経験が豊富で、高齢のパンダへの対処にも慣れています。私が知っている時点(2019年)では、44頭のパンダがいました」(谷口さん)。

 高齢のパンダは、高血圧や心臓疾患などになりやすい。タンタンはどうなのだろうか。「2017年に、目の角膜炎を起こしたのですが、獣医眼科の先生から処方された、目薬によって、無事改善されています。歯の摩耗も健康診断で毎回確認していますが、今のところは大丈夫ですよ」(同前)。

高齢なので、歯のケアにも気をつけているのだそう ©二木繁美

 谷口さんはこのようにも話してくれた。

「都江堰基地には、立派な研究センターがあり、設備も充実しています。入院やリハビリができる施設もあるので、高齢のタンタンにとっても、よい施設だと思います」(同前)

 しかも、都江堰基地は、一般にも公開されている。中国でもタンタンに会える可能性があるのだ。