あくまでも、タンタンファースト!
これまでに2回、返還の期限を延長してきたタンタン。なぜ今回は、期間延長をしなかったのだろうか。同園の上山裕之園長は、中国側からの要望があったのだと話す。
「高齢化しているタンタンを、最後はふるさとで過ごさせてあげたいと、中国側から要望がありました。中国は高齢のパンダの飼育経験も豊富なので、これからはまかせてほしいと……」。しかし上山園長も本音では、やはりタンタンに神戸にいて欲しいようだ。
「私たちはもちろん、タンタンに残って欲しい。でも、それは人間のエゴかもしれないと思い、タンタンにとって、何が一番良いのかを考えました。今回の決定は、“タンタンファースト”によるものなのです」と話す。
“タンタンファースト”によって決まった、今回の帰国。具体的な予定は、どうなっているのだろうか。「新型コロナの影響で、中国への直行便が運休しているため、今の時点では、まったく未定です」と上山園長。
本来なら、返還期限が切れる2020年7月15日に帰国するはずだったが、タンタンはもう少し、日本にいてくれるようだ。「帰国前には、日本国内で1か月の検疫が必要となります。ですので帰国の1か月前には、みなさんにお知らせすることができると思います」と話してくれた。
検疫の期間になると、一般の人間との接触を避けるため、屋内で過ごすことが増えるタンタン。なんとか検疫期間中も、屋内展示の状態で公開できるように、考えているのだという。
気になるお別れ会は、どうなるのだろうか。「するかしないのかを含めて、まったくの未定です」と上山園長。「今の状況では、通常の屋内イベントはむずかしい。われわれは、もちろんしてあげたいし、入園者のみなさんもそうでしょう。なので、WEBで配信など、何か工夫できないかを検討中です」と教えてくれた。