また神戸にパンダは来る?
タンタンが帰国した後、また、神戸にパンダがやって来ることはあるのだろうか。「神戸にパンダを迎えたいということは、何年も前から、中国側にお願いをしています」と上山園長。
「2018年には、神戸市長が中国に行って、直接要望を伝えてきました。さらに、2019年に駐日大使が交代された際にも、あいさつを兼ねて、神戸市長が大使の元を訪問しているんです。あくまで繁殖研究の一環として貸出をお願いしているので、オスメスのペアでの貸出を希望しています」と上山園長。
子どもの死亡という残念な結果に終わっているが、タンタンは2回出産している。もし、また神戸にパンダがやって来ることがあれば、かわいい赤ちゃんの誕生も、期待できるかもしれない。
最後に、上山園長にタンタンへの思いを聞いた。
「いま、入園者に竹の葉型のカードをお渡しして、タンタンへのメッセージを書いてもらっています。その中で一番多いのが、“20年間ありがとう”という言葉。現在は新型コロナの関係で、兵庫県民と動物サポーターのみ、抽選で入園という形をとっています(6月22日現在)。
そのため、入場者のほとんどが、神戸市民なのですが、神戸のみなさんに、よく言われるのが『震災復興と言えば、オリックスとタンタン』という言葉です。
タンタンは、阪神大震災で傷ついた神戸を、元気づけるためにやって来ました。神戸市民にとって、タンタンは特別な存在だという方も多い。私も同じ気持ちです」と話す。
震災の復興支援として、神戸市民に明るい話題をもたらしたタンタン。「がんばろうKOBE」の言葉をユニホームに掲げ、リーグ優勝を果たした、オリックス・ブルーウェーブとともに、タンタンは神戸市民にとって、震災復興のシンボルとしても、特別な存在なのだ。
さらに、いまタンタンに伝えたいことを聞いた。
「20年間本当にありがとう。あとはふるさとの中国に帰って、ゆっくり過ごして欲しい。いつまでも、元気でいて欲しいですね」と上山園長。
パンダの平均寿命は飼育下で25歳から30歳。現在24歳のタンタンは、人生(?)のほとんどを、同園で過ごしてきたことになる。
中国で、のんびりと余生を過ごすことになるタンタンに、「20年間お疲れさま。ありがとう」と伝えたい。みんな、君のしあわせを祈っているよ。
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