2003年に刊行されたハンディな類語辞典が、突然の大ブレイク。昨年から今年にかけて数万単位で部数を伸ばしている。端的な説明と用例を集めた内容は、もともと辞書好きや文章のプロからの評価が高く、年間およそ3000冊を売り上げる人気辞書ではあった。
「さらに注目を浴びたきっかけはTwitterです。本書を利用されている方のおすすめ発言がきっかけで、昨年、趣味や仕事で創作をされている方々に一気に広まりました。その後も定期的に口コミが広がり、今年の夏にも、直木賞・芥川賞の発表翌日にたまたま大きな動きがあったんです。そうしたら受賞作を差し置いてAmazonの総合ランキング1位を獲得したんですよね。本当に驚きました」(担当編集者の田沢あかねさん)
従来とは異なる層の熱烈な支持が、数字に繋がった。
「これまで辞書に馴染みがなかった方々が、本書でその存在に気付かれたように感じています。創作だけでなく、今はTwitterやLINE、ブログといった様々な形で文章を書く機会があり、その際の便利なツールとして〈類語辞典〉を発見した。スマホで調べればいいと思うかもしれませんが、ネットには余計な情報が多く、通信制限も気になる。ネットは便利なようで意外と不便なんですよ」(田沢さん)
シリーズ最新作『感情ことば選び辞典』『ことばの結びつき辞典』も好調。スマホ世代と辞書の出会いは、大きな波を生みそうだ。
2003年11月発売。初版7000部。現在22刷9万500部