豆柴のセンパイが5歳のときに、捨て猫だったコウハイ(推定3カ月)がやって来た! センパイが母となってコウハイを育て、はや9年。やんちゃな仔猫もすっかり落ちついて、いまではおばあちゃんになったセンパイを心配そうに見守って……。そんな2匹の9年間を2匹の飼い主のエッセイスト・石黒由紀子さんがお届けします。
センパイ、そしてコウハイがやって来た!
2006年、戌年のお正月に豆柴を迎えました。生後4カ月、名前は「センパイ」。内気でぼんやりのマイペース、食い意地だけは犬一倍のメス。
4年後、ご隠居さんのように落ちつきはじめたセンパイを刺激したくて、動物愛護団体を主宰している友人に相談。すると「猫を飼えば? この子はどう?」目の前に差し出されたのは、捨てられ瀕死だったところを保護された仔猫。
「この子は小さくて弱いから、育たないかもしれない」友人はそう思い、「もし死んでしまっても、あの家なら、あやまれば許してくれるだろう」と考えての勧めだったとか。
仔猫は我が家に来た日から、か弱い外見とは裏腹に、犬を見ても人を見てもひるむことなく、強気。家じゅうを果敢に探検し、センパイの背中をベッドと決め、よいしょと登って眠ってしまいました。
仔猫の名前は候補を挙げていろいろ考えてみたものの「センパイ」といえば「コウハイ」が自然だと、「センパイ&コウハイコンビ」誕生です。