昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/07/22

source : 文藝春秋

genre : ニュース, 社会

大司教区が“A神父の背信行為”を庇った理由

 ちなみにGSI-ARMSの名刺にある「国際NGO登録ID」という称号も変だ。

 国際協力NGOセンター(東京・新宿区)に問い合わせたが、「そのような仕組みは内部にはないし、外部でも聞いたことがない」。「セルフケア総合研究所」は内閣府のNPOデータベースに登録こそあるが、事業報告書によれば、「覚書」作成の17年の当時でさえ、すでに収入も支出もゼロで、実質的な活動実態はないことは明らかだった。

 献金を預かる立場として見れば、そもそも回収が危うい相手に財産を委ねたA神父の13年の貸し出しが最初の背信行為だ。だが、それにも増して信じがたいのは、17年の覚書である。なぜなら「A神父個人の独断」を「大司教区が結んだ契約」として追認する最悪の選択で、信徒は再び裏切られたことになるからだ。

昨年、長崎県営野球場でミサを行った教皇フランシスコ ©AFLO

 にもかかわらず、大司教区はなぜ、あえて追認するような覚書を締結したのか。可能性は2つだ。(1)A神父が貸し付けた当時のK氏は貸出先として健全だと判断できる事情があった、あるいは(2)事を荒立てずに隠蔽したかった――。この点を見極める手がかりになるのが、貸し出しの経緯を記した3つ目の資料だ。

 後編では、資料から明らかになった事実を整理していこう。

後編に続く

※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。@gekkan_bunshun のフォローをお願いします。

※音声メディア・Voicyで「文藝春秋channel」も放送中! 作家や編集者が「書けなかった話」などを語っています。こちらもフォローをお願いします。

この記事の写真(8枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文藝春秋をフォロー