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開花したオリックス・鈴木優 いまこそ“都立のダルビッシュ”を証明してくれ

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/08/06

「都立の星」が遂に開花宣言か。山岡が抜けたローテーションの穴を鈴木優が見事に埋めた。いや失礼、「山岡の穴を埋めた」と言うにはやや物足りないここまでの数字ではあるかもしれないが、それでも颯爽と現れオリックスの連敗を止めたのが7月1日。同日にプロ初勝利をあげると、以降も確実にローテーションの1角を担い続けている。

 それにしてもマウンドに立つ背番号68は素晴らしくイケメンだ。彫りが深く、頬から顎にかけてのラインがすこぶるシャープなその顔立ちは「カルロス・ゴーンを男前にしたような顔」と言うべきか、はたまた「ミスター・ビーンをハーフにしたような顔」と言うべきか。

 恐らく今流行の乙坂智(横浜DeNA)や九里亜蓮(広島)のようなハーフプロ野球選手なのかと勝手に思い込んでいたが、いや待てよ。ドラフト指名でご両親と共に会見に応じた彼を思い出すに、いや彼の両隣のご両親を思い出すに、明らか日本人の佇まいではないか。純粋に日本人なのか鈴木優。どうDNAが繋がるとそういう顔立ちになるんだ鈴木優。「都立のダルビッシュ」とは何だったんだよ鈴木優。それに東京都目黒区出身とは、「持ちすぎ」だろ鈴木優。

鈴木優 ©時事通信社

「ハーフっぽい野球選手」と「リアル・ハーフの野球選手」

 この鈴木優。プエルトリコのウインターリーグで何かを掴んで帰って来たようだ。思い切ってフォーシームを投じれているのと、高めを上手く使えているのがそれを強く感じさせる。あとは5シーズンに渡る下積みキャリアがそうさせるのか、良い時は良いなりに、悪い時は悪いなりに、淡々と、そしてクールに投球を続けるキャラクターも持ち味、いや強みと言える。

 他の“若手”と呼ばれるオリックス投手が時に不安げな表情を覗かせるのに対し、鈴木はあくまでクールな印象。「ハーフっぽい」顔立ちが余計にそう写すのか、外国人投手達のようなイライラ全開でマウンドに残る印象も無い。きっと感情が豊かすぎる「リアル・ハーフ野球選手」榊原翼より“肝っ玉は外国人選手並み”と言えるだろう。オリックスの「リアル・ハーフ野球選手」と言えば宗佑磨もそうか。宗よ、これからはキザイア・ジョーンズ(※ナイジェリア出身のギタリストでシンガーソングライター)だけ聞いてくれ。せめて伏見寅威よりは明るくアフリカンな陽気さで、チームの重いムードを少しでも明るくしておくれ。