文春オンライン

どこか似ている『わたナギ』と『逃げ恥』……こんなにも多部ちゃんとガッキーを応援したくなるのはなぜ?

「あざとく生きられない」視聴者に刺さるヒロイン

2020/07/28
note

多部未華子と新垣結衣から滲み出す「実直さ」「クリーンさ」

 現代の働く女性の等身大であるメイをナチュラルに演じている多部未華子は、『逃げ恥』再放送時、エンディングに登場。『逃げ恥』の出演者でないにもかかわらず、恋ダンスを完璧に覚えて踊ったサプライズ映像も好評だった。仕事のためにクラシックバレエを習っていたことがあるという多部は、首がまっすぐ長くて姿勢がよく、真面目な印象を受ける。NHKのドラマ『これは経費で落ちません!』(19年)が好評だったのも、経理担当として1円の間違いも見逃さない、経費にならない不正な請求は認めないという職業意識の高さを極めて正当に、清々しく演じきったからである。

『これは経費で落ちません!』では、石鹸メーカーの経理部に勤めるアラサー独身女子を演じた(DVDジャケットより)

『逃げ恥』でみくりを演じた新垣結衣は、逆に、すらりとした身長を持て余し気味にして、いつも一生懸命、完璧に仕事をするのに世間から報われてないように感じている雰囲気を醸していた。それはそれで、一生懸命だけどそれをひけらかさない慎みで好感度が上がる。

 新垣結衣も多部未華子も演じる役がクリーンに見えるのだ。「あざとい生き方」もいいけれど、「実直でクリーンな生き方」も認めてほしいし褒められたい。多部や新垣が演じるヒロインたちから漂うクリーンさが『逃げ恥』や『ナギサさん』が愛される理由ではないだろうか。

どこか似ている『わたナギ』と『逃げ恥』……こんなにも多部ちゃんとガッキーを応援したくなるのはなぜ?

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー