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子育て中の働くお母さんへ “伝説の家政婦”志麻さんが忙しいママに「フレンチ」をすすめる理由

『伝説の家政婦 志麻さんがうちに来た!』(タサン志麻 著)――ベストセラー解剖

2020/08/05
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『伝説の家政婦 志麻さんがうちに来た! ワーママでも簡単! 子どもが喜ぶおうちレシピ61』(タサン志麻 著)世界文化社

 フレンチのシェフとして本格的な研鑽を積み、現在は料理専門の家政婦として活躍している著者。一般的な道具や食材で、豊かな食卓を実現する手腕には定評があり、著作も多数。本書はその中でも、母子家庭、赤ちゃんのいる家、好き嫌いの多い子供のいる家庭など、様々な形の課題を抱えた子育て中の6家庭を著者が実際に訪れ、実録物語風にレシピを紹介している点がユニークだ。

「企画のきっかけは、著者が出演した『プロフェッショナル 仕事の流儀』です。番組に出演された依頼者の多くが子育て中の働くお母さんで、忙しい中でも家族の健康や子供の成長に気をくばり、手作りのごはんにこだわっていました。私自身も育ち盛りのふたりの男の子の食事に苦戦していることもあり、とても共感して、そんな働くお母さんたちに向けた本を作れないかと思ったんです」(担当編集者の三宅礼子さん)

 著者は和・洋・中となんでも対応可能だが、本書ではあえて専門であるフレンチに絞った。レタスのポタージュ、サバ缶を使ったコールスロー、絹豆腐を使ったドーナツなど、手軽で、意外性があり、さらにヘルシーなレシピが満載。

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「フレンチはオーブンを使ったり、煮込んだり、仕込んだらしばらく放置できる料理が多いんです。料理をしながら他の家事ができるのは、忙しいママには大きな利点です」(三宅さん)

2020年3月発売。初版1万部。現在6刷6万部

子育て中の働くお母さんへ “伝説の家政婦”志麻さんが忙しいママに「フレンチ」をすすめる理由

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