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「あの男性、自殺したみたいですよ」

 ある日のライブの帰り際、後を着けられ、自宅を特定されたようなのです。それからというもの、毎日の様に手紙がポストに届くようになったといいます。

「その手紙の内容は『結婚しよう』とか『僕一人のアイドルになって欲しい』とか、果てには『僕のものになってくれないなら殺す』などといった過激な内容の物までありました。もちろん、警察にも相談し、家の周辺を重点的に警戒してもらえるようになりました。

 そんなことがあっても娘は心を折られることなく、地下アイドルとしての活動を続けていました。

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 ところが、ある日を境にこの男性がライブに顔を出さないようになったのです。それと同時期に、家への手紙も全くなくなりました。不思議に思っていると、あるファンの方から『あの男性、自殺したみたいですよ』と聞きました。それを聞き、大変不謹慎ながら娘と『良かった』と安心しました。 

 ただ、その日の夜から、娘の例の独り言が始まったのです」

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地下アイドルを辞めるように言って欲しい

 お母さまは、娘さんが独り言を言い出した原因を自ら命を絶った男性の霊のせいだと確信されていました。そこで、お母さまからこんな提案があったのです。

 このまま地下アイドルを続けて行くと、今回と同じような事があると怖いので、三木住職から辞めるように言って欲しいとおっしゃるのです。

 親から言うと喧嘩になってもいけません。ですので、第三者である私から言って欲しいとのことでした。

 それに今回、お母さまがお寺に来られた事は、内緒にしておいてくださいと言われました。親御さんの頼みを私が代弁したとなれば、親子間で揉めるかも知れないとの理由でした。もちろん、お寺には守秘義務がありますので娘さんには話をしないでおくことにしました。